舞台「KING OF PRISM」の感想
映画館でペンライトを振ったり、声援を送ったりして、会場が一体となって映画を盛り上げる「応援上映」という新たな文化を生んだ「KING OF PRISM 」通称キンプリ
私もそんなキンプリのプリズムの煌めきによって魅了された1人のオタクだ。
そのキンプリが舞台をすると知った瞬間、私はあまりいい気がしなかった。
大好きな作品が舞台化するのに素直に喜べない自分がいた。
テニミュ沼の住民だから2.5次元の舞台やミュージカルには馴染みがある。テニミュ以外にもいくつか2.5次元舞台を観たことがある。
だけど、なぜかキンプリ舞台化発表されたときモヤモヤした。
2.5次元をしたからって必ず売れるとは限らない。コケることだってあるだろう。そんなコケるキンプリを見たくない!という気持ちもあった。
そして私のモヤモヤには三つの理由があった。
一つ目の理由は、役者さんと私のキャラ解釈が違っていたらどうしようという不安感。
役者さんなりに頑張ってキャラを解釈、咀嚼して自分のものにして舞台に上がるだろう。
だが自分の理想のキャラ像と真反対な演技をされたら、地獄であろう。オタクにとって解釈違いは争いの種になる。
思い入れのある作品だからこそ、そうした不安感が襲ってきた。
二つ目の理由は、何でもかんでもすぐ舞台化する今の風潮が単に苦手というワガママな理由である。
これについては何も言わない。私のワガママだから。
三つ目の理由は、プリズムショーを再現出来るの?という疑問。
フィギュアスケートを元に歌とダンス、そしてプリズムジャンプと言われる決め技のようなもの、そして心の煌めきを組み合わせたものがプリズムショーだ。
心の煌めきはともかく、他を再現出来るの?プリズムの煌めきを放つことが出来るの?どこまで我々観客をときめかし、満足させることが出来るの?と上から目線だが、様々な疑問を抱いた。
そして舞台が開演された。
TwitterのTLで流れてきたレポや、観にいったフォロワーさんの感想を読んでいった。
するとみんな死んでいた…………。
私が見かけた限りでは、もれなく死んでいた……。
実際にレポを読んだりしたら、なかなか良さげだった。
舞台と聞いていたが、ペンライトを出すときが多々あり、舞台というかステージに近いなぁ~と思った。
役者さんのTwitterの写真を見てると、ジャケ写よりみんな顔がいい。綺麗。
モヤモヤが少し晴れてきたのを私は感じた。
ある日Twitterをボケーっと見てたら、ブタキンのニコ生番宣をするエデロ生の動画を見かけた。
そしてその番宣を開いた瞬間私はとても驚いた。
完成度が高かったのだーーー。
ミナトさんは中の人が演じてるだけあって文句なしだったが、他のキャラもすごかった。
まず私が弟と呼んでいる推しのタイガ………。あの気だるい感じがもうタイガだった。
カケルはあのチャラい喋り方しかもアニメボイスに似ているし、ユウくんの役者さんに至ってはユウ君をモノにしてた。ユウ君だった。
1分もない番宣動画だったが、一気に私の中のモヤモヤは期待に変わった。
その動画を観たのは、ライビュ前日でもう早くライビュが観たい!けど休日は終わって欲しくない!という気持ちがムクムク膨らんだ。
舞台化すると聞いてモヤモヤしていた私はもうほとんど消えかけていた。
そして千秋楽ライビュ当日を迎え、幕が上がった。
感想を一言で言うなら「とんでもない舞台を観てしまった」
シンくんは服が破れパンツ1丁になるし、オバレ含めエデロ生全員お風呂シーンでタオル1丁で出てくるし、かと思えば謎のフィルターが現れ、キャストはタオルを外しそのタオルを振り回すし、あきら100%のようにお盆芸するし、尻からはちみつは忠実に再現されるし、ギャグシーンは多いし、プリズムショーは煌めきで溢れていたしでとんでもない舞台だった。
まず話に関することを述べるとキンプリとキンプラを上手い具合に混ぜたなぁ~って感じでした。
劇場版ではシンくんが劇中で初めてプリズムショーをするのはコウジとの対決のところだけど、 舞台ではシンくんとルヰくんが2回目の逢瀬した際、ルヰくんがシンくんに「一緒にやろう!」とプリズムショーをしようと誘う。
ルヰくんがプリズムワールドの使者としてシンくんにプリズムの煌めきを広めてる……と思うと感動しました。
まずここでプリリズから通して考えてるなぁと思いました。
次にキンプラでプリズムキングカップの出場者発表の際、聖さんがタイガに「昨年末行われた、クリスマスライブでのファン投票の結果を受けて」と言っていた。
ブタキンではこのクリスマスライブをしたのだ。
私はてっきりプリズムキングカップをするものだと思っていたので、びっくりした。
しかもタイガが出場する決め手の一つとなったクリスマスライブをしたのだ。
タイガ推しにとってどれほど嬉しいことか………
ただ、アレクがプリズムショーしてたときにタイガが横入りする必要はなかったのでは?と思う。
これではクリスマスライブ、プリズムキングカップと2回アレクの邪魔をしていることになってしまう。
ましてはクリスマスライブのアレクは会場を破壊していない(はず)。
カヅキ先輩の仇とは言え、そこまでしなくても良かったのでは?タイガくん?
観る人にとってはタイガがショーの邪魔ばかりするタダのガキになってしまうのが、私は自称タイガの姉として嫌だ。
きっとタイガは憎まれ口を叩きながらもきちんとショーを観る子だと私は信じているから。
そこは普通にアレクがプリズムショーする前に「俺と勝負だ!大和アレクサンダー!」と言って、アレクも「ハンッ望むところだ」と言ってからのEZ DO DANCEだったら良かったなぁ~と思った。
あとコウジの紹介のときにいとちゃんの名前が挙がり、聖さんの時にはジュネ様の名前が挙がった。
ならば個人的にはカヅキ先輩のときに女の子には弱い的な紹介セリフのときに「現に、ハッピーレインのあんちゃん、ベルローズのわかなちゃんに迫られて慌てふためいているしね~」みたいなセリフがあれば嬉しかったなぁという感想。
プリズムショーをするに当たって、すごいな!よく考えたな!と思ったのが靴だ。
私より少し下の世代に流行った「ローラーシューズ」を使用していたのだ。
思春期ながらも憧れたローラーシューズを大の大人が履いて舞台の上を駆け抜けたのだ。
気づいた時は感心、感動、そして心がとてもワクワクしたのを覚えている。
プリズムジャンプも再現度が高くて良かった。
コウジのはちみつキッスも笑ってしまったけど、良かった。しかも小南さんがお尻フリフリしててとても可愛かった。
日替わりのアドリブシーンはもうジョージにMVPをあげたい。
作中でトータル2分出てるか出てないかのキャラをあそこまで掘り下げ、自分のモノにして、高田馬場ジョージ像を作り上げるのは本当にすごい。
さらに停電でのハプニングでその場を凌いだエピソードもあり、本当に本当にMVPをあげたい。ありがとう。
そしてタイガのプリンアラモード事件は伝説だ。
好きな物で小声で「プリンアラモード」と言った時点で可愛いの極みなのだが、理由がこれまた可愛いし、泣ける。
小さい頃に喫茶店で食べたプリンアラモードが今でも好きで、家がそんなに裕福じゃないからそれがご馳走だった。と述べたタイガ。
いや、泣けますよね。
家族との思い出を大切にするいい子すぎる。
しかも家が裕福ではないのに、憧れの人に追いつくために、そして追い越すために東京に上京させてくれた親御さん。
家族からたくさんの愛を受けて、今の香賀美タイガがある。
タイガはヤンキー、不良息子など作中で言われてるけど根は優しい子なんですよ。
話は少し脱線したが、このプリンアラモード事件を通して、香賀美タイガとその家族について知れて良かった。
そしてタイガが親御さんに愛されて育った子だと分かってとても良かった。
最後のライブシーンはもうガムシャラに偏差値0状態でキンブレを振っていました。
クリスマス曲の振り付けが可愛いのは覚えている。
ブタキンを通して、新たなキャラの1面がたくさん見れて良かった。
そして大楽後にはキンプリ舞台化を嫌がっていた私は完全に成仏出来ていた。